英語を話したり書いたりする場合は、自分で一から英文を考える必要があるため、どうしても英文を正しく組み立てるための文法能力が必要不可欠になります。
スピーキングとリスニングは全く技術レベルの違う能力
英語を「聞いたり(リスニング)」「読んだり(リーディング)」する能力は、既に組み立てられている英文を読み解くだけですから、それほど高度な文法能力はいりません。
逆に、英語を「話したり(スピーキング)」「書いたり(ライティング)」する能力は、何も無いところから新しい英文を構築するので、非常に高度な文法能力が必要です。
ところが多くの英語学習方法では、この4つの能力を、会話に使う能力の「話す(スピーキング)」と「聞く(リスニング)」、紙を使う能力の「書く(ライティング)」と「読む(リーディング)」と分類し、全く技術レベルの違う能力を同時に学ばせようとします。これでは学習者は混乱するばかりで、学習効率も上がりません。
例えば、中学生の頃を思い出すと分かりやすいかもしれません。最初に新しい単語を覚える時、「リンゴ」から「Apple」を連想するのはちょっと難しいですが、「Apple」から「リンゴ」という答えを思い出すのはかなり簡単だったはずです。
ライティングとスピーキングではしっかりとした文法能力が必要
これは、大人になってからの英語学習でも同じです。英語を一から考えて「話したり(スピーキング)」「書いたり(ライティング)」する能力は、高度な語彙力に加えて、しっかりとした文法能力がどうしても必要になります。
そのためには、しっかりとした内容の信頼出来る英語文法書を、何度か読み込んでざっと頭に入れておく事が大切です。また、英語の学習中は疑問点をいつでも調べられるように、参考書として傍らに常備しておいてください。中高生時代の英語学習ではしっかりと文法を学んでいますので、それほど苦労せずに思い出せるはずです。
オススメの英語文法書
英語文法書は、中高生時代に使っていたものでもかまいませんが、もう家に置いてないよという人には、桐原書店の「総合英語Forest 7th Edition」がおすすめです。
この文法書には、高校までに習う英文法を体系立てて網羅してあり、ざっと読むだけでも勉強になります。高校生から社会人まで幅広く活用できる文法書です。
特にこれといった大きな特徴はありませんが、内容が正確で分かりやすい為、文法力をしっかりと身につけるには最適です。
ただ内容量が655ページと膨大なため、最初は読むのがためらわれるかもしれません。この文法書をしっかりと活用するコツは、最初から全部頭に入れてやろうなどと考えて力まないことです。あらかた覚えたら後は傍らに置いて、時折パラパラとめくるような使い方がベストです。
英語の文法が一通り頭に入っていれば、自分で英語を話したり書いたりする時でも、「あれ、これで良かったのかな?」といった余計な迷いが生じなくなります。