日本人のニヤニヤした照れ笑いは不気味?

日本人のニヤニヤした照れ笑い

日本人独特の仕草の一つに、失敗した時や相手の申し出を断る時にやってしまう、ちょっと媚びたような「ニヤニヤ」とした照れ笑いがあります。

奇妙な日本人の照れ笑い

この照れ笑いは、日本人であれば誰でも自然にやってしまう仕草ですが、欧米の人たちから見るとどうも薄気味悪くて、理解しがたい奇妙な表情に感じてしまうようです。

英会話の際に、相手の質問が分からない時、自分が言った言葉が上手く相手に伝わらない時、ついこの「照れ笑い」が顔に浮かんでしまうという人は、今すぐ止めてください。

相手に「申し訳ない」という気持ちが伝わらないどころか、「不気味」だとか「気持ち悪い」といった不快感を相手に抱かせてしまうだけだからです。
その場所の状況によっては、相手を小馬鹿にしているように感じさせてしまう事もあり、最悪の場合は相手を怒らせてしまうかもしれません。

照れ笑いのつもりが「侮辱」に取られる事も

ある美術館で実際にあった話しですが、私が絵画を鑑賞していると、欧米系の人が急にカメラを取り出し館内を撮影し始めました。多くの場合、美術館の中は、著作権上の理由から撮影が禁止されています。

当然、その美術館の職員の方は、この欧米系の人に「カメラ、ノー」と片言の英語で語り掛けました。その時、美術館の職員は、日本人的な配慮から照れたような媚びたような、妙な照れ笑いを浮かべてしまいました。そして、この奇妙な笑顔を見たその欧米系の人は、この仕草を「侮辱」と捉え猛然と怒り出してしまったのです。

ここでその職員も神妙な表情になっていれば、なんとかその場も収まったかもしれませんが、相手が怒ってしまったことに驚き、さらに媚び笑いを浮かべながら「ソーリー」とやってしまったのです。結果的には連れの日本人がなんとかなだめて落ち着いたようですが、最後までその人の表情から不審と怒りの色が消える事はありませんでした。

仕草や表情も文化によって意味が変わる

英語などの言語を勉強しているとつい忘れてしまうのですが、仕草や表情も相手に自分の気持ちを伝える重要な言語の一種です。しかも、この仕草や表情は、相手の国や文化によって大きく意味が違っている事もあります。言語を学ぶ時には、この仕草や表情についても忘れずに調べておきましょう。

欧米人が窮地に追い込まれた時は

欧米人が困ったり窮地に追い込まれたりした時は、日本人の様に照れ笑いを浮かべない替わりに、ちょっとしたジョークを言って頭を切り替えます。
また、同時に「俺はこんな事ではへこたれないよ」という周りへのアピールにもなっています。実際、本当に悲観してパニックになっている人は、ジョークひとつも言う事はできないでしょう。

また日本人同士の時でも、困った時にニヤニヤして媚びたような表情を見せる人に、良い感情を抱くことはありません。そんな人に対しては、ちょっと情けない感じがして、自分より下に見てしまいませんか?

今まで上司に叱られている時、失敗した時、ニヤニヤ媚びたような笑いをしていた人は、次からは、ハリウッド映画のヒーローのような小粋なジョークを飛ばしてみてはいかがでしょうか?
その時の表情はくれぐれもシリアスに、決してニヤついてはいけません。

仕草や表情を正確に学ぶには

こうやって普段から練習を積んでおけば、外国人と英会話をしている時も、日本人特有の奇妙な照れ笑いを浮かべて、誤解される事も無くなります。

また、細かな表情の出し入れについては、ここで文章を使って伝えるには限界があります。そんな時に、参考になるのがアメリカのホームドラマです。現代のホームドラマなら、生きた英語を学べると同時に、仕草や表情などについても正確に勉強する事ができます。

ただ、時代モノのドラマ等では表現が古くさかったり、大げさだったりしますのであまり参考にはなりません。